ガムの功罪

皆さんはよくガムを噛んでいますか? 運転中の眠気覚ましがわりや、スポーツをする時、または噛むことは健康に良いということで習慣的にガムを噛んでいらっしゃる方も多いと思います。 しかし、ガムを噛みつづけることによって、歯やアゴにトラブルを引き起こしてしまうかもしれません。

ガムを噛むときには、閉口筋という筋肉、主に咬筋と側頭筋が働きます。 ガムを噛むことは、それらの筋力トレーニングを行っているようなものです。 アゴのちょうどエラ辺りや側頭部を手で触れると、ガムを噛んだ時の筋肉の動きを確認することが出来ます。 筋肉には付着部という所があり、骨にくっついています。 ですから、閉口筋が働く時は、付着部についている骨を動かしているともいえます。 筋肉が働けば、骨に刺激が加わります。 刺激を受けた骨は、硬くなったり太くなったりします。 マッチョな人の骨が硬く太くなるのと同じです。 逆に、筋肉の衰えた高齢者などは骨も脆く細くなっていきます。 ご自身の顔でエラの張りが気になる方は、咬筋の活動が活発になってしまうガムを噛み続けるのは避けたほうがいいでしょう。

また、ガムを好きな方は、スルメやビーフジャーキー、フランスパンなど、長く噛み続ける食べ物を好む傾向にあります。 これは、無意識のうちに嗜好してしまうのです。 まるで筋力トレーニングをするマッチョな人が、毎日、筋トレをしないと気が済まないような感覚です。 活性化した筋肉が、より強い刺激を求めるのです。

また、歯ぎしりや食いしばりのある方もガムは避けたほうがいいでしょう。 閉口筋が休まらず、むしろ興奮してしまいスイッチが切れない状態になってしまいます。 ガムをよく噛めば、脳が活性化されて健康にもよいといわれますが、向いている方と向いていない方がいます。

やみくもに噛めば、歯やアゴのトラブルだけでなく、顔のバランスを崩したり、頭痛を引き起こすこともあるので気をつけましょう。