人にとって最も大切な機能とは何でしょう?

それは、呼吸です。呼吸ができなければ生きてはいけません。
正しい呼吸とは何でしょう?
それは、鼻呼吸です。鼻呼吸は、現代社会において難しくなってきています。
なぜなら、食生活の変化、アレルギー性疾患の増加、外遊びの減少、パソコンやゲーム機の普及、デスクワークの増加による前傾姿勢など、日常生活において口呼吸を誘発し鼻閉を引き起こす環境が整いすぎているのです。
歯科医療を提供する私たちが、口呼吸について解説するのに違和感を覚えるかもしれません。
しかし、口呼吸は歯科疾患と密接な関係を持っているのです。
口呼吸がある方は虫歯ができやすく、歯の汚れや舌苔の付着が多くなります。
さらに、歯周疾患(歯槽膿漏)が悪化しやすく、口臭が生じてしまいます。
さらに、口の周囲の筋肉がゆるくなり、表情が乏しくなってきます。
食事のときには、舌の悪い癖が生じやすく、音(ピチャピチャ、クチャクチャなど)をたてながら食べることもよくあります。
口元は汚れもつきやすくなります。
口をしっかり結んで、咀嚼(噛むこと)し、嚥下(飲み込むこと)することが苦しくてできないのです。
鼻閉であっても、成長とともに頭部の骨格が発達し、鼻腔が広がってくれる場合があります。
その時はすでに口の中の歯並びが完成しており、正しい呼吸・咀嚼・嚥下・発音ができにくい環境になってしまっているのです。
鼻閉があると、詰まってしまった排水管のようによごれがたまってしまいます。
細菌の繁殖が活発になり、炎症を引き起こします。
炎症のある鼻の粘膜は腫れて更なる鼻閉を促進します。
そして、詰まってしまった排水管は、さらに詰まりやすくなり悪循環に陥ってしまいます。

鼻閉→口呼吸→口唇の閉鎖不全→舌癖の出現→上顎歯列の狭窄→低位舌→舌根の沈下→気道の閉塞→舌骨の下方移動→頭位の前傾→頚椎の湾曲→咀嚼筋活動の悪化→臼歯部(奥歯)の噛み合わせの高さの変化→下顎の偏位→前歯部の突出→開咬または過蓋咬合

上記の流れが、形態(歯並び)を悪くする大きな原因の一つです。機能が形態を悪化させるのです。
これからは、従来のハード(矯正装置)による治療から、ソフト(人間が本来持っている力:機能力)を最大限に利用した治療へと進化します。
患者さんに大きな負担をかけることなく、長期にわたる歯ならびと噛み合わせの安定が得られるでしょう。
形態だけでなく、機能も含めた回復が必要なのです。
睡眠時無呼吸症候群は舌根の沈下によって生じることが知られています。いびきも同様の原因で生じます。
もし、成長期までの早い段階で機能を改善することができれば、その後の人生においてメリットは大きいでしょう。
深い眠りは、免疫を高めます。また、鼻呼吸は、口呼吸に比べ脳への酸素供給量が多く集中力が高まります。
形態と機能が良くなると、体幹のバランスがとれるようになり、成長発育に大きく貢献してくれます。
形態(歯並び)だけでなく機能を改善することにより、健康になり、その後の人生において大きな財産となるでしょう。
きれいな口元は、顔の美しさを決定する大きな要素です。
より美しく、より健康に。
私たちにお手伝いができれば、とても喜ばしいことです。

かつらぎ歯科クリニック スタッフ一同

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